はじまりのはじまり

はじまりのはじまり

六匹の鹿たちのやり取りが何ともユーモラスな「鹿踊りのはじまり」。

旅の途中の人間が忘れていった〈手拭い〉に鹿たちは興味津々。
恐る恐る近づいて行っては、飛んで帰ってくるという鹿たちの行動が繰り返されます。
コレは、植物なのか?食べられるものなのか?どんな匂いなのか?生き物なのか?突然動き出して攻撃してきたりしないのか?
一匹一匹に個性があり、これがまた何ともすっとぼけていて、花巻弁の台詞がさらにのどかな感じにさせるのです。
しかし鹿たちは至って真剣です。
そんな真剣度も何とも愛らしい鹿どもなのです。
実は、鹿の真の目的は、手拭いのすぐ横にある栃の団子なのですが、どうにも正体不明の手拭いが気になって、団子にありつけないでいるというのが前半です。

今回、そんな鹿どもが登場します。
郷土芸能〈鹿踊〉を模した角とささらを付け、衣裳の榊さん製作の、お揃いなんだけど少しずつ違う衣裳を身に纏い、6人が歌い踊ります。

因みに「ささら」というのは割竹を紙片で飾った幣で、本当の鹿踊では3.6メートルくらいの長さのものを背中に差しています。
今回は、その1/4くらいの長さですが、そんなに広くない稽古場で、6人が付けていると、アッチのささらに突かれコッチのささらに突かれている小川です。

一人語りでしか、上演したことのない「鹿踊りのはじまり」に今回は大応援団がついています。

そうそう、みんなで「鹿踊りのはじまり」の面白いところはどこだろうか、と話していた時に、若手が一様に、まず鹿が一匹ではなく六匹いることだと言いました。
一匹だったら、そこに栃の団子というご馳走があっても〈手拭い〉という何だか得体の知れないものが隣に横たわっていたら、諦めて行ってしまうかもしれない、と言うのです。
六匹だから、みんながいるから、力を合わせて、〈手拭い〉をやっつけて、〈栃の団子〉にありつけたというわけなのです。
ふっと、若手たちと重なりました。
踊りを覚えて、歌を覚えて、みんなで合わせてと、どの段階でも個人差はあって、なかなか出来なかったりしたこともあったけど、それでもお互い協力し、助け合いながら、作り上げてきました。
確かに一人じゃ出来なかったかもしれません。
みんな仲良く筋肉痛にもなって、チームワークは抜群です(笑)

そんな「鹿踊りのはじまり」
新たな風が吹きそうです。

(文・小川智代)

11月23日(木・祝) 14時開演(開場は開演の30分前です)

場所 なかの芸能小劇場
料金 1500円(前売・当日共)

チケットのお申込みはこちらのフォームから
今年最後のミニステージ!皆様のご来場をお待ちしております。