よだかの星

よだかの星
この作品を私が一人語りとして語るのは4回目です。
初めて語ったのは2006年。その後、主に演出を担当してきました。
はかないよだかの星、凛としたよだかの星、守ってあげたくなるようなよだかの星、
色々ありました。

「よだかの星」は人気作品で、過去の公演一覧を眺めてみると6回も上演されています。

ポランの会では、語り手が宮澤賢治の創出した物語世界と向き合い、今生きている自分とを重ね合わせてひとつの「ものがたり」を創ってゆく「ものがたり表現」をしています。
筑摩書房をテキストとして、全文を書かれてあるままに表現しているので、
内容が変わるわけではありませんが、語り手の「想い」が濃く前に出てくるため、
好き、嫌いがバシっと別れてしまう表現だろうと思います。
正直、最初は悩みました。
でも、これがポランの会の一人語りであり、今私はこの一人語りが大好きです。

ポランの会の中でよだかの星の人気が高いのは、いじめられてかわいそうなよだかではなく、
よだかの気高さ、強さ、誇り高きよだかの生き方に共感するからだと思っています。

鷹に市蔵と改名しろと言われたよだかは、
「そんなことをする位なら、私はもう死んだ方がましです」
と言います。

名前を変えてしまうと、今まで生きてきた自分を自分で否定してしまうから…。
私は、私。(そういえば渡辺萌奈が語った時、作品紹介で、私は私って言ってたような・・・)

今回の花巻公演のテーマは、劇団のテーマにもなっている「生きる」です。
語り手それぞれの「生きる」を創り上げていきます!

本格的な稽古に入る前に、過去のよだかの星ノートを確認してびっくり
大学ノート1冊にビッシリ書き込まれていました。
すっかり忘れていましたが、鷹と夜鷹の鳴き声は全く違うという事。

たかという名のついたことは不思議なようですが、これは、一つはよだかのはねが無暗に強くて、風を切って翔けるときなどは、まるで鷹のように見えたことと、も一つはなきごえがするどくて、やはりどこか鷹に似ていた為です。

ああ、そうだった。
ラストシーンへの伏線であろうとは思いますが、語る上で納得して物語を創っていかなければいけないですね。
どうやって創ったんだっけ…。

ノートには夜鷹の事からギリシャ神話、歌舞伎、死生観まで色々書いてあって、忘れていた事がたくさんありました。
懐かしい想いでノートを眺めながら、この童話の好きなところはどこだろうと考えていました。

最初に語った時は確かラストシーンが一番好きだったように思います。

そしてよだかの星は燃えつづけました。いつまでもいつまでも燃えつづけました。
今でもまだ燃えています。

ああ、よかった。と思っていた記憶があります。

今は冒頭の「よだかは、実にみにくい鳥です。」という一文が大好きです。

               ( 写真  Wikipedia より)

どうしてでしょう。自分でもよくわからないのですが、
すごくたくさんの感情が湧き出てくるみたいです。

今回は一番苦手な「星めぐり」をしっかりマスターしたいと思います。
水沢のホシミネスカさんのところで勉強しよう!

彩木香里でした。