ポランの会

ポラン寄席 in 花巻

7月からは通し稽古が始まります。
やっと鈴木太二の『蜘蛛となめくぢと狸』の選曲が終わってホッとしている彩木です。

今年は、昨年のポランの会のミニステージ全てに出演したキャストが花巻入りします!
1年間で20作品以上の童話と、10作品以上の詩を一緒に創り上げた若手が、精神的にも肉体的にも大きく成長しました。

簡単な衣裳も作れるようになりました。

作品の内容を深めてディスカッションができるようにもなりました。
昨日は注文の多い料理店の中の作品の難しさと、
花鳥童話を語る時の難しさについて色々話をしました。

「難しい」といっても難解で理解できないという事ではなく、さらりと書かれている言葉に騙されてテーマを見失ってしまう可能性があるということです。
『どんぐりと山猫』のどんぐり裁判については2時間近く話し合い、黄金のどんぐりとめつきのどんぐりの違いは何か?何故塩鮭のあたまと黄金のどんぐりなのか?
聖書、宗教、人種、暮らし、自然、…あっちからもこっちからも意見が飛び交いなかなか面白い稽古でした。

花巻公演まであと2か月ちょっとです。
東京を飛び出して花巻で公演するにあたって
ものがたりグループ☆ポランの会と、一人語りについて少し書き綴ってみようと思います。

はじまりは2004年。
ある年の声優事務所の忘年会。
養成所時代の恩師から「仕事頑張ってるか?養成所を卒業して何かやってるのか?」
私「何もやっていません」
恩師「自分が教えられることは宮沢賢治の童話しかないけどやってみるか?」
私「‥‥はい」←決してノリノリではない
恩師「ほかに誰かいないか?」
私「小川さんはどうでしょう?」← この少し前に小川さんと収録現場で一緒になってランチしたから思い出した!
恩師「ほかに誰かいないか?」
私「声かけてみます」

で、けっこう断られた記憶があります。
なんせ、宮沢賢治ですから。シェイクスピアと並ぶくらいギョっとされますから…。

何とか4人集まって2005年に4作品上演しました。上演したというより、発表したといった方がいいかもしれません。入場料を1000円にしたいと言った時に「金とるのか!?」と反対されたのを「プロですから」と生意気にもお客様から入場料をいただいたのでした。

一人で舞台に立ったのは初めての経験で、とても不思議な感じでした。
今思うと、1年目は楽しく語らせてもらったのかもしれません。楽しかったから次もやりたいと思ったのだと思います。
そして一人語りに無限の可能性(大袈裟?)を感じたのかもしれません。
一人語りは稽古をするのも一人。舞台上に立つのも一人。自分との戦いです。
表現者として成長し続けるためのテキストとして「宮澤賢治の童話」を選びました。
その後の稽古はとても厳しいものでした。
プロの表現者として生きていくための基礎、基礎、基礎。

1つの作品を完成させるために他の童話も読むようになりました。
そのうちにどんどん賢治童話に惹かれていったのです。
賢治童話を語って半世紀(当時)の恩師からは、表現技術だけでなく賢治さんや賢治さんの童話について学んだことがたくさんありました。

そして、2009年。
表現者として日々精進するための賢治童話の発表ではなく、もっとたくさんの方々に宮澤賢治の童話を伝えたいという想いから、恩師の元を離れました。
方向性が少し変わっただけで、作品の読み解き方、稽古の方法は変わらず、今でも丁寧に作品を読み解くことからはじまって厳しい稽古は続いています。

ポランの会の語りは朗読ではありません。
どちらかといえば一人芝居に近いと思います。
一人の役者が賢治童話を通して表現できることの全てを舞台にのせたものです。
賢治さんの詩や童話から感じる「生きる」エネルギー、「自然」のエネルギー。
その大きな大きなエルギーに包まれるのか、後押しされるのか、勇気をもらうのか…
人それぞれだと思いますが、それぞれに伝えたい想いを持って舞台にあがります。
9月の花巻公演にご来場予定の皆様、私たちのエネルギーも受け取っていただけると嬉しいです。

この先「役者」という枠にとらわれず、あらゆるジャンルの表現者の方々と一緒に賢治童話を表現していきたいと思っています。
東京で、花巻で、岩手で、全国で、世界で…。

彩木&小川 フリートーク ポランの会について 2015年収録