宮澤賢治の童話 2018 ミニステージ 虔十公園林

『虔十公園林』のダイジェスト遅くなってすみません。
決して忘れていたわけではありません。途中まで編集してはデータを紛失し、再び編集するとデータを読み込まず…と難儀しました

語り手は初めて一人語りに挑戦した中島まゆ。演出はワタクシ彩木が担当しました。
毎度のことですが、1ページ目の稽古に費やした時間は約1年。
虔十と家族の立ち位置、距離感、林はどこ?語り手の視点は?
と、色々考えなければいけないことがたくさんあって、なかなか先へ進むことが出来ませんでした。

初めてということもあって、言葉を発する基礎稽古が大変だったことも思い出します。
朴訥とした語りっぷりが中島の特徴で、彼女のいいところだと思います。
不器用な中島の、虔十が植えた杉のようにまっすぐな虔十公園林です。

宮澤賢治の童話 2018 ミニステージ 虔十公園林

大好きな作品なのでこれからポランの会でも大切に語り続けていきたいと思っています。

~虔十公園林より~

虔十はいつも繩の帯をしめてわらって杜の中や畑の間をゆっくりあるいてゐるのでした。
雨の中の青い藪を見てはよろこんで目をパチパチさせ青ぞらをどこまでも翔けて行く鷹を見付けてははねあがって手をたゝいてみんなに知らせました。
けれどもあんまり子供らが虔十をばかにして笑ふものですから虔十はだんだん笑はないふりをするやうになりました。
風がどうと吹いてぶなの葉がチラチラ光るときなどは虔十はもううれしくてうれしくてひとりでに笑へて仕方ないのを、無理やり大きく口をあき、はあはあ息だけついてごまかしながらいつまでもいつまでもそのぶなの木を見上げて立ってゐるのでした。
時にはその大きくあいた口の横わきをさも痒いやうなふりをして指でこすりながらはあはあ息だけで笑ひました。

冒頭、虔十を紹介するブロック。ここで知恵遅れの虔十という印象が強く前に出てきますが、自然の中で「笑う」虔十、この自然が虔十の心を満たしている事を忘れてはいけないと思います。
そういう虔十が植えた杉だから後に碑が建っつたのではないかな?
童話の中のお話ですが、虔十が先に『虔十公園林』といいう立て札を建てる人でなくてよかった…そんなことを考えながら、いつか私も語ってみたいと思っています。

彩木香里

昨年8月の土神と狐のダイジェストは‥‥忘れてました。
ゆっくり急ぎます!